伊丹市立伊丹高等学校の教科情報では、人と人との縁を大切にしすることをベースに置いた情報教育の場として、中心市街地にある商店街の抱える問題に取り組む「いたみ商店街活性化プロジェクト」に平成15年より取り組んでいる。商店主との会議は閉店後の20時以降となり、実質生徒が出席することは難しくなる。この課題を解決するために平成16年度からコミュニティウエアを活用し、かなり効果をあげた。
しかし、会員の広がりが難しいことと、個人としての情報発信が進まないという課題が明確になってきた。
そこで平成18年度より試験的に運用を始めた。
OpenSNPを選定した理由は、ひょこむとの連携が可能である点が一番大きい。それは、伊丹を中心とした地域に根ざした活動と兵庫県下で考える活動を組み合わすことが可能となれば、活動がより広がっていくと考えたからだ。
こんな機能があれば良いなと思っていると、それが実現しているのがOpenSNPのよさである。同じインターフェースで他地域との連携が可能となることもすばらしい。公教育で使用しているわけだが、生徒たちが喜々として使っている。自己表現できる場を持て年齢を超えたコメントなどの情報交流が楽しくできる仕組みを持っていることはとてもすばらしい。
学校現場にこそ、地域SNSを導入すべきである。
学校を開き、地域に根ざした教育を行っていくことが公教育こそ求められている。学校という地域コミュニティの核となる場に人々が緩やかなつながりで集まっていることは、安心・安全な暮らしを支える要因の一つだと阪神大震災の教訓が教えてくれている。
他地域ともつながる、OpenSNPこそ、日本の教育を変える力を持っている。
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「社会と学校をつなぐ地域SNS」 by
Masahiro |
インターネットが広く一般家庭に普及し、インターネットを使った犯罪やトラブルが多数報じられいます。
「インターネットの影」の部分が大きくクローズアップされている今、伊丹市立伊丹高等学校(以下、市高)では、地域SNSを積極的に利用して授業を展開しています。
市高の情報科では、1年生を対象に、「いたみ商店街活性化プロジェクト」をテーマにプロジェクト学習を進めています。市高は、中心市街地に隣接しており、この中心市街地にある商店街を生きた教材として、フィールドワークをさせて頂いています。子どもたちは、商店主さんと直接相談し、試行錯誤しながら商店街を個店から元気にする方法を考え実践・評価し、次の取り組みへと活かし商店街を15歳の視点から活性化しています
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一般的なSNSの用途とは違い、いたまちSNSでは、生徒たちに授業のリフレクション(振り返り)を日報として毎回書いてもらい、これを教員がチェックすることで、彼らの理解度を容易に把握することができるようになりました。
また、学年末には生徒自らが書き込んだブログを参照することによって、より具体的に目に見える成果(活動の記録)を残せるようになりました。
一方、彼らが率直な気持ちで書く日記は、私たちの大きな楽しみの一つです。思春期の微妙なココロを持つ子どもたちが投げかけるメッセージは、大人も深く考えさせられるものが多くあります。
市高情報科では、関西学院大学(以下、関学)との高大連携授業を行っており、生徒と学生の連絡やイベント時の商店街の方々との準備にも、いたまちSNSを使っています。いたまちSNSを導入したメリットとしては、いつも連絡が途絶えがちな夏休みなどの間にも、熱を冷まさないようにコミュニケーションが取れることや、連絡・報告を容易に共有できる点が挙げられます。
2007年度の市高のイベント等での取り組みは、商店街の方々に非常に高く評価されました。この一番の要因は、たくさんのリアルなつながりが生まれたことに尽きると感じています。つまり、商店主さんと市高生・関学生のつながりは、いたまちSNSそのものによって持続されるのでなく、いたまちSNSによって作られたミーティングの時間や、懇親会などのリアルなつながりによって保たれているのです。
いたまちSNSには、リアルなつながりが大切なことを知った人たちが多数参加しています。今年度からは「いたまちモール」が導入され、リアルな社会と連動するバーチャルモールを、子どもたちと協働で制作することができるようになりました。子どもたちとまちの方々をじわじわと繋いでゆく、いたまちSNSに大きな期待が寄せられています。
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